この記事は2020年9月24日に公開したものです。法令や制度はその後改正されている場合があります。最新の情報は「改正公益通報者保護法のポイント」「匿名の内部通報ガイド」をご覧ください。
社内に内部通報窓口を設置したものの、「通報がほとんど来ない」「設置しただけの状態になっている」とお悩みのご担当者様は少なくありません。その原因の一つとして考えられるのが、社員が内部通報制度を信頼できていないことです。
- 通報を受けるのは誰なのか
- 匿名でも、自分が通報したとわかってしまうのではないか
- 通報したことが上司に伝わるのではないか
- 通報した内容は、どこで誰が検討するのか
社員が抱くこうした疑問や不安は、通報をためらわせる大きな壁になります。
通報者がいちばん不安に感じること
通報者が最も不安に感じるのは、「自分が通報したことが知られないか」という点です。
- 窓口そのものを信頼できない
- 伝えたいのは不正の事実であって、誰が通報したかは重要ではない
- 実名で通報するのは怖い
- 通報したことで不利益な扱いを受けるおそれがある
こうした理由から、勤務先の不正を通報するなら匿名で通報したいと考える社員は多く、調査によっては約7割にのぼるという結果もあります。また、最初の通報先として行政機関や報道機関など勤務先以外を選ぶと答える人も少なくありません。
信頼されない窓口が招くリスク
社員にとって、通報はとても勇気のいる行動です。重大な違反を目撃した人や、自身が被害者である人もいます。それでも窓口が信頼できないと判断されれば、情報は社外へ持ち込まれ、不正が思わぬ形で明るみに出ることになります。その結果、企業のイメージは大きく傷つき、社会的な信頼を失いかねません。
内部通報制度は、社内の問題を知る社員から経営上のリスクに関わる情報をいち早く受け取り、問題を未然に防いだり、早期に是正したりするための仕組みです。そのためには、通報者を徹底して守り、安心して通報できる環境を整えることが欠かせません。
安心して通報できる環境をつくるために
- 通報に関する秘密保持を徹底する
- 通報者への不利益な取扱いを禁止し、社内に明示する
- 不正に関わった人が自ら通報した場合の、懲戒処分などの減免を検討する
- 窓口の担当者、通報後の流れ、秘密の守り方を社員に周知する
- 通報者を特定できる情報を持たない、匿名の窓口を用意する
2026年12月施行の改正公益通報者保護法では、内部通報体制を社員に周知する義務が明文化されます。制度を整えるだけでなく、「どう守られるのか」を社員に伝えることが、信頼される窓口への第一歩です。
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