内部告発と内部通報の違い (2020/06/01)
一見似たような言葉にもみえる「内部告発」と「内部通報」。
もし「その違いは?」と尋ねられたら、皆さんは何と答えられますか?
「なんとなくは分かるけど…」「説明してと言われるとちょっと…」という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、この二つの違いについて考えてみたいと思います。
■内部告発とは
まず初めに、内部告発とは何かをご説明します。内部告発とは、組織内部の人間(社員・職員など)が、所属組織の不正や悪事を、外部の監督省庁やテレビ・新聞・週刊誌などの報道機関へ知らせて周知を図る行為を指します。つまり、外部に対して自発的に情報を通報することです。
■内部通報とは
次に、内部通報とは何かを解説していきます。内部通報とは、組織内部の人間(社員・職員など)が、法令違反・規則違反などの不正行為や疑問などを組織内部の窓口に対して、匿名または実名で相談・照会・通報することです。
□違い①通報する対象
情報提供書は、どちらも組織内部の人間であるという部分は同じですが、一番の違いは通報する対象です。
内部告発の場合は、通報する対象は監督省庁やテレビ・新聞・週刊誌などの報道機関(メディア)・市民団体などの外部です。
それに対して、内部通報の通報対象は、会社が用意した信頼できる社内・社外窓口となります。
□違い②通報する意図
内部告発では、その目的は、行われている不正行為をやめさせること、あるいはその責任を追及することにあります。(告発に至る動機としては、私的怨恨・愛社精神・派閥抗争などがあります。)
内部通報はどうかというと、その目的として、被害を未然に防ぐこと、被害の拡散を最小限に食い止めることが狙いとなります。
□まとめ
このように、内部告発と内部通報では、通報する対象および通報者の意図が全く違うことが分かります。一度内部告発の対象になってしまえば、企業が受けるダメージは計り知れません。
そのような行動に出られる前に、コンプライアンス違反・規則違反・不正行為などの問題を、小さな段階でいかにして内部通報という形で早期に察知し適切に対処できるかが、何よりも重要となります。
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