「内部通報制度認証」とは?【実効性のある内部通報制度のために ①】 (2020/07/31)

「内部通報制度認証」とは?
 

「内部通報制度認証」は、形だけのものにもなり得る内部通報制度を、有効に機能させるために定められた認証制度です。
内部通報窓口を設置しているだけではなく、生きたものにしていくという意識が今、求められています。

■認証制度の導入

企業において、内部告発という最悪の事態を招く前に、内部通報という形で問題の小さなうちに適切に対処することが重要です。
現在では、大企業の多くが内部通報の窓口を設けています。
ただその一方で、実際の通報件数はゼロ・もしくはほんの数件であったり、窓口が置かれていたにもかかわらず全く機能せず、外部への告発によって不祥事に発展してしまったりするケースも見受けられます。

 

そこで、内部通報制度を形だけではなく実効性のあるものにしていくために、どのような法整備がなされているのでしょうか。
その一つに、2018年より導入が開始された、「内部通報制度認証」という認証制度があります。

 

■二つの認証制度

「内部通報制度認証」は、以下の2つの制度からなります。

 

  • 「自己適合宣言登録制度」…事業者自らが、内部通報制度を認定基準(ガイドライン)に沿って評価したものを申請し、それを指定登録機関が確認した結果を登録、認証を与える制度
  • 「第三者認証制度」…中立公平な第三者機関が、事業者の内部通報制度を審査・認証する制度

 

現行の制度は、2018年より導入された「自己適合宣言登録制度」のみで、「第三者認証制度」については「自己適合宣言登録制度」の運用状況をふまえたのち導入予定とされています。
これは、比較的簡便な自己審査の制度から段階を踏んで導入することで、より円滑な運用を図るためとされています。

ただ、近い将来導入されることになる第三者審査による審査にも対応できるような内部通報制度の整備を、今からしっかり行っておくことが大切です。