まず、セクハラの基本的な知識をご存じでしょうか。
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
引用元: 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
とあります。しかし、これを読んだだけでは具体的なセクハラの範囲がどこまでなのか分かりません。
今回は意図せずセクハラに該当してしまう気を付けるべき行動をご紹介していきます。
1 プライベートな質問
たとえ親しい間柄だと思っていたとしてもプライベートな質問は避けるべきです。例えば「〇〇さんは彼氏いるの?」、「〇〇さんはいつ結婚するんですか?」、「〇〇くんの彼女可愛いよね、最近どうなの?」など相手が答えたくない可能性がある質問は避けるべきです。特に配偶者や恋人に関しての質問は触れてほしくないと感じる方が多いため、避けましょう。
2 相手に密着する・ボディタッチ
お酒の席などでよく起こる事例ですが、相手の足に手を乗せる行為や酔った勢いで抱き着いたりする事も当然ながら避けるべきです。
「相手も酔っているし、酒の席では無礼講」と言う方もいらっしゃいます。しかし、これらは完全なセクハラです。
例えお酒の席であっても相手に尊敬の念を持った対応を心がけるべきでしょう。
3 相手の目の前で服を脱ぐ
着替える時に面倒だからと言って人の目の前で着替えたりする行為はたとえ同性だけであったとしても避けるべきです。また、お酒の席でも勢いに任せて服を脱いだりすることもやめましょう。自分では一時のノリのつもりでも、簡単に流すことが出来ない傷を相手に与えてしまう可能性があります。また、お酒の席でも下ネタなどの会話には注意しましょう。
4 相手の肩を叩く、相手に触れる行為
お酒の席でなくとも、相手に触れる行為自体にセクハラの危険があります。たとえば「相手が呼び掛けに応えないので肩を叩いた」、「労いの気持ちで後ろから肩をもんだ」などです。2020年には部下を注意した後に「そんなにへこむなよ」と頬に缶コーヒーをつけた行為でハラスメント認定される事例がありました。
この上司と部下は時には二人で熱く語り合う間柄だったといいます。人間関係は些細なボタンの掛け違いで起こってしまうものです。
極力相手に触れる行為は避けるべきでしょう。
5 会話をする際の距離
過度に接近して行う対話は人に不快感や恐怖感を与えてしまいます。人にはパーソナルスペースと呼ばれているコミュニケーションに適した距離感があるため、一般的なビジネスシーンでの対話の適切な距離は40~120cm程度と言われております。相手の気分を害さないよう考慮し、その場に適した距離感を測るべきです。
以上、今回はセクハラに該当してしまう行動を5つご紹介しました。今後、先の社会ではハラスメント問題は更に深刻になっていきます。
ハラスメントを理解し、尊敬と感謝を分かち合える人間関係の構築を心がけましょう。