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通報者探索の禁止とは?改正公益通報者保護法でやってはいけない5つのNG行動

「この通報、誰が書いたんだろう」――通報を受けたとき、そう考えてしまうのは自然なことかもしれません。しかし、2026年12月1日に施行される改正公益通報者保護法では、正当な理由なく通報者を特定しようとする行為が、法律で明確に禁止されます。

通報者探索の禁止とは

改正法では、事業者が正当な理由なく、公益通報者であることを知るための行為をすることが禁止されます(11条の3)。これを「通報者探索の禁止」と呼びます。

この規定に違反しても行政上の措置や刑事罰はありませんが、違反行為は不法行為として損害賠償請求の対象になりえます。何より、通報者を探そうとした事実が明らかになれば、企業の信用は大きく損なわれます。

あわせて禁止される「通報妨害」

同じ改正で、正当な理由なく、公益通報をしないことを約束させるなど、通報を妨げる行為も禁止されます(11条の2)。たとえば、入社時や退職時に「社外に通報しない」という誓約書に署名させるといった行為です。こうした合意は無効とされます。

やってはいけない5つのNG行動

  1. 通報内容から通報者を推測して、本人に確認する
    「この件を知っているのは君だけだよね」と問いただすことは、典型的な探索行為です。
  2. 通報の文面の筆跡や文体を分析する
    書面の筆跡や、文章の言い回しから書いた人を割り出そうとする行為も探索にあたります。
  3. アクセスログやIPアドレス、メールの送信元を調べる
    社内のシステムのログを使って、通報した端末や時間帯から人物を絞り込む行為です。
  4. 関係者に「誰が通報したか知らないか」と聞いて回る
    調査の名目であっても、通報者を探す目的の聞き取りは禁止される行為にあたりえます。
  5. 通報者だと疑った人を、会議などで名指しする
    推測に基づいて名前を挙げることは、探索であると同時に、不利益な取扱いにもつながります。

解雇・懲戒には刑事罰も

改正法では、公益通報をしたことを理由とする解雇や懲戒に、刑事罰が科されるようになります。

  • 行為者個人:6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
  • 法人:3,000万円以下の罰金

また、通報から1年以内の解雇・懲戒は、通報を理由とするものと推定されます。通報者を探し出すことが、そのまま重大な法的リスクにつながる時代になったのです。

企業がとるべき対策

  • 通報者探索・通報妨害の禁止を社内規程に明記し、管理職を含めて周知・研修を行う
  • 通報への対応に関わる人(従事者)を限定し、守秘義務を徹底する
  • 調査は「通報の内容が事実か」を確認するために行い、「誰が通報したか」を調べない運用を徹底する
  • 入社時・退職時の誓約書に、通報を妨げる条項が含まれていないか見直す
  • 通報者を特定できる情報を、そもそも取得しない窓口を利用する

「探せない」仕組みが、「探していない」証明になる

どれほど規程を整えても、通報者の情報が手元にあれば、「探そうと思えば探せる」状態であることに変わりはありません。完全匿名ヘルプラインは、通報者の氏名・メールアドレス・IPアドレス・アクセスログを一切取得しないため、会社は通報者を特定しようがありません。その仕組み自体が、会社が通報者探索をしていないことの裏付けになります。

そのうえで、専用ページを通じて通報者と匿名のまま何度でもやりとりできるため、事実確認に必要な情報は通報者から直接集めることができます。

あわせて読みたい:「改正公益通報者保護法(2026年12月施行)のポイント」「改正公益通報者保護法 企業の対応チェックリスト」

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