パワハラ・セクハラ・マタハラに加え、2026年10月からはカスハラや求職者へのセクハラについても、事業主に相談体制の整備が義務付けられました。相談窓口を設けたら、次に大切なのは、相談を受けた担当者が適切に対応できることです。この記事では、相談対応の基本的な流れと、担当者が注意すべき点を解説します。
相談対応の7つのステップ
1.受付
相談者が話しやすい環境を整えます。対面であれば、ほかの人に声が聞こえない場所を選びます。冒頭で、秘密を守ることと、相談したことで不利益な扱いを受けないことを伝えると、相談者は安心して話せます。
2.聞き取り
いつ、どこで、誰から、どのような言動を受けたのか、目撃者はいるか、相談者がどう感じ、どうしてほしいと考えているかを聞き取ります。途中で評価や意見を挟まず、まずは最後まで話を聞くことが大切です。
3.相談者の意向の確認
行為者への注意を望むのか、配置の変更を望むのか、まずは話を聞いてほしいだけなのか。相談者の意向を確認し、今後の進め方について同意を得ます。行為者や第三者に話を聞く場合は、相談者の情報をどこまで伝えてよいかも確認します。
4.事実確認
必要に応じて、行為者や目撃者から話を聞きます。行為者にも言い分を述べる機会を与え、公平に確認します。メールやメッセージ、録音などの客観的な資料があれば確認します。
5.判断
聞き取った内容と資料をもとに、ハラスメントにあたるかどうかを判断します。判断が難しい場合は、弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談します。
6.措置
被害者への配慮(行為者との引き離し、配置の変更、休養、メンタルヘルスのケアなど)と、行為者への措置(注意・指導、就業規則に基づく懲戒など)を行います。ハラスメントと判断できなかった場合でも、職場環境の改善が必要なことは少なくありません。
7.再発防止とフィードバック
方針の再周知や研修などの再発防止策を講じます。相談者には、対応の結果を可能な範囲で伝えます。対応後もしばらくは、相談者が職場で不利益を受けていないか見守りましょう。
やってはいけないNG対応
- 「あなたにも原因があったのでは」「考えすぎでは」など、相談者を責める・軽く扱う発言(セカンドハラスメント)
- 相談者の同意なく、行為者や上司に相談内容や相談者の名前を伝える
- 「必ず処分します」など、確約できないことを約束する
- 相談内容を雑談や噂話として話す
- 対応を先延ばしにし、相談者を放置する
記録の残し方
相談の日時、相談者の話の内容、確認した事実、判断の理由、行った措置を、時系列で記録します。記録は、適切に対応したことを後から説明するための大切な資料になります。記録の保管場所と閲覧できる人を限定し、厳重に管理しましょう。
公益通報の窓口担当者には守秘義務と罰則も
ハラスメントの相談が、法令違反に関わる公益通報にあたる場合もあります。従業員301人以上の事業者には、公益通報への対応に関わる人を「従事者」として指定する義務があり、従事者が正当な理由なく通報者を特定させる情報を漏らすと、30万円以下の罰金の対象となります。担当者に任せきりにせず、会社として守秘のルールを整えることが大切です。
文字でやりとりできる窓口は、担当者も守る
電話や対面での相談では、その場で即答を迫られ、不用意な一言が問題になることもあります。完全匿名ヘルプラインでは、相談者とのやりとりをすべて文字で行い、記録も自動で残ります。内容をよく検討し、必要に応じて提携の専門家に相談してから回答できるため、担当者の負担と対応ミスのリスクを減らせます。
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