この記事は2020年7月31日に公開したものです。法令や制度はその後改正されている場合があります。最新の情報は「改正公益通報者保護法のポイント」「匿名の内部通報ガイド」をご覧ください。
【2026年10月追記】本記事で紹介している「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」は、2022年(令和4年)2月から運営が休止されています。消費者庁は、事業者の体制整備を周知啓発と執行体制の強化で促す方針とし、本認証制度を廃止する考えを示しています。現在、新たに認証を取得することはできません。以下は制度が運用されていた当時の内容として、ご参考にご覧ください。
WCMS認証とその認定の流れ
「内部通報制度認証」は「WCMS認証」とも呼ばれます。WCMSは「Whistleblowing Compliance Management System」の略で、内部通報制度を積極的に活用してコンプライアンス経営を推進するためのマネジメントシステムを意味します。
企業が内部通報制度の仕組みをどれだけ整備し、どれだけ積極的に運用しているかを確認し、登録する制度として運用されていました。
認定までの流れとWCMSマーク
まず企業が、自社の内部通報制度を認証基準に沿って自己評価し、申請します。指定登録機関が基準を満たしているかを確認し、満たしていると認められた場合に登録証が交付されました。
登録事業者名は所定のWebサイトで公表され、登録を受けた企業は「WCMSマーク」を自社のWebサイトや名刺、パンフレットなどに使用できました。
認証取得のメリット
- 消費者・取引先からの信頼の獲得
- 企業ブランドの向上
- 金融市場での評価
- コンプライアンス意識の高い優秀な人材の確保
企業の情報を誰もがすぐに検索できる今、内部通報制度を整えていることを示すことは、コンプライアンス違反に真摯に向き合う姿勢のアピールにもつながります。2019年2月の申請受付開始から2020年5月末までに、60社以上が登録を受けました。
見落とされがちな「窓口の中立性」
審査の項目のうち、注意が必要とされていたのが内部通報窓口の中立性です。特に、通報の受付や調査を顧問弁護士に委託している場合には、中立性が十分と認められないことがありました。
顧問弁護士は会社の利益を守る立場にあるため、通報者から見ると「会社側の窓口」と受け取られやすいのです。この考え方は、認証制度の有無にかかわらず、窓口を設計するうえで今も重要です。
中立な社外窓口という選択肢
最も中立性を確保しやすいのは、利害関係のない外部の機関に窓口を置くことです。すでに社内窓口をお持ちの場合も、別に社外窓口を設けておくと、通報者が安心して選べる経路が増えます。
完全匿名ヘルプラインは、通報者を特定できる情報を一切取得せず、通報内容は当社の社員も閲覧できない仕組みで、完全な第三者としての立場を守っています。これから窓口の設置をお考えの企業様、現在の窓口に不安を感じている企業様は、ぜひ一度ご検討ください。